20231224「救い主はこの夜、生まれた」クリスマス キャンドル・サービス
コリントの信徒への手紙Ⅱ12:9-10,マタイによる福音書1:18-25,ルカによる福音書2:1-15 中村文子
ヘンデルのメサイアの中に「神の独り子をわれら賜りぬFor unto us a child is born」があります。これは旧約聖書イザヤ書の「ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。 ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。 権威が彼の肩にある。」という箇所からつくられた、
クリスマスの曲。 「その名は、「驚くべき指導者、力ある神 永遠の父、平和の君」と唱えられる。」と続きます。きっと、とても強くてたくましい正義の味方がやって来る!と期待してしまいます。
けれど、きょうのプログラムの表紙の絵のように、イエス・キリストは小さなかわいい赤ちゃんとして、生まれました。何日もかけて旅をしたマリアとヨセフは、宿屋の半地下の馬小屋 現代で言えばガレージの隅に泊まることになり、イエスはとても赤ちゃんを産むに相応しいとは言えない場所で生まれました。
布にくるまれ馬の餌を入れる、石の器=飼い葉おけの中にいる赤ちゃん。それがイエスです。
イエスだけでなく、生まれたての赤ちゃんは皆、ミルクを飲むことも おむつも、自分では何一つできません。生きるためのすべてに、助けが必要で、だれかが世話をしなければ、
死んでしまう弱い存在です。弱くて何もできないのに、全く遠慮なく、堂々と、自分の弱さ 無力さを全力で現す。周りを気にせず泣く。そして、
自分が見捨てられることは無いと、わけもなく信じている。それが当たり前の赤ちゃんです。
後に大人になったイエス自身が、こう語られました。 マルコ10:15,ルカ18:17
「はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」
赤ちゃんと呼ばれる時期を過ぎると、私たちは「自分でできる」「自分で何とかする」と言いがちです。助けを求めることを恐れ、不安でも、疲れ 弱っていても「助けて」と叫ぶことができません。
救い主イエス・キリストはこの世で生きて、私たちの弱さを共に経験し知っていて下さいます。
イエスが世に表れて最初に示した「手本」は、実は誰でも、生まれた時には持っていた生き方。私たちが私たちをこの世で生かしている神を、赤ん坊のような素直に信頼することです。
人の心と魂が持つ、痛み苦しみ、不安や情けなさ、失望も その先にある諦めも。私たちが心に体に持つ傷を、赤ちゃんの時のように叫ぶ私たちの痛みをイエスは理解し、受け止めて下さる方です。私たちの救い主 癒し主が誕生しました。
それが、クリスマスの夜、みんなの足元に生まれた小さな赤ちゃんです。
イエス様お誕生おめでとう!メリークリスマス!
お祈りいたします。
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